出典:http://www.kumano-sanzan.jp/nachi/himatsuri.html
「那智の扇祭り」は和歌山県の有名な祭りで、今日では人気の夏祭りとして知られています。
別名を「那智の火祭り」とも言いますが、なぜ火祭りという別名があるのかと言うと御火行事という火を使った行事があるからなんです。大きな松明を掲げて、たくさんの持ち手が神社を歩いていきます。
その火はかなり激しいもので、松明の重さと夏の暑さも相まってかなり大変なことと思われます。松明は全部で12本ありますが、持ち手を同行者やたくさんの見物人が応援します。それはもう大変な活気で、みんながは~りゃ、ほ~りゃと独特な声援を掛けながら応援しています。
松明を持ち歩く理由は、この神社の歴史を見てみると自ずと分かります。この祭りが行われている熊野那智大社は和歌山県の東牟婁郡那智勝浦町にある非常に由緒正しい神社です。この神社はかの有名な「那智の滝」を信仰するために出来たんです。
那智の滝は何と落差133mの日本国内でも屈指の滝で、年間多くの観光客が訪れます。熊野那智大社は当時の天皇の令を受けて、建てられた場所で那智の滝に棲む神様に祈ることを目的としました。
ここが面白いのですが、この滝に棲む神は「火の神様」として崇められているのです。少し変わっていますが、農業や天候などの自然に祈りを捧げるという目的で言えば、火も水も風も信仰の対象なのかもしれませんね。
日本に各地に住まわる12の神様を象ったものが12本の松明なのです。火は那智の滝の神そのものであり、この那智の扇祭りの御火行事にあって還っていくんです。
祭は毎年7月13日、14日に行われ、その準備は6月30日から始まっています。この祭の行事は御火行事だけでは無く、那智の田楽という踊りなども非常に見どころがあります。
那智の田楽は重要無形民俗文化財に登録されていますが、ユネスコの無形文化遺産にも登録されるなどその文化の素晴らしさは世界にも認められました。
熊野那智大社自体が世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の一つとして数えられていて、自然または歴史が評価されています。まるで太古の日本にあるような、神々しさがこの一帯には存在し桜の木や杉並木は県の天然記念物にも認定されています。
杉の木の並ぶ参道を歩くと、霧の立ち込める日などはまるで深い森に居るような穏やかな気分にさせてくれます。那智の扇祭りは火も多く渡り歩き、人も多く非常に強い熱気を感じますがやはり那智の滝を一目眺めれば夏の日にあっても涼しさを感じることでしょう。
那智の扇祭り周辺のおすすめグルメ
熊野那智大社のある那智勝浦の名物はマグロで、美味しいマグロ料理が味わえるとして人気の「那智ねぼけ堂」が大社の近くにあります。
「生まぐろ丼」が看板商品で、何と2倍盛りや3倍盛りはマグロがはみ出さんばかりでインパクトがスゴいです。もちろん量だけではなく、その時々の質の良いマグロを使用していますので味も良いです。「まぐろひつまぶし御膳」は昆布やかつおだしの効いた出汁を掛けて食べる料理で、これも人気になってますよ。
那智の扇祭りは夏ですから、那智の滝のすぐ近くにある「滝つせ」のアイスクリームはうってつけです。地元の名産品である黒あめを使った「黒あめソフト」は、味も上品で涼しくなれるのでおすすめです。
那智の扇祭り周辺のおすすめ宿・ホテル
ホテル浦島
熊野那智大社からそれほど離れない海沿いにあって、このホテルは温泉が気持ち良いんですよ。南紀勝浦温泉と呼ばれていますが、海を見ながら温泉でリフレッシュというのも気持ち良いものです。
忘帰洞という洞窟内にある温泉が特に有名で、「帰るのを忘れさせるほど素晴らしい」からこの名前になっているんですよ。
ホテル浦島は和歌山県内でも有数の大きなホテルで、別館がいくつかあるのですがその中でも「山上館」は高台にあって見晴らしも非常に良いですね。本館からそこまでのかなり長いエスカレーターは、ちょっとした名所になっています。
かつうら御苑
こちらも露天風呂が目玉ですが、「滝見の湯」では山のほうを眺めてみると那智の滝が見えてきます。遠くに那智の滝を再び見ながら、夕暮れ時に温泉に浸かり眺めてみるのも格別です。
地元名物のマグロなど海の幸を使った豪華料理はなかなかのもので、バイキングメニューでもマグロやサンマ料理、各種デザートなど地元の味を活かしたものが勢揃いです。めはり寿司という高菜でくるんだ郷土料理も並び、海の幸山の幸を十分に堪能出来ることでしょう。
那智の扇祭りまとめ
熊野三山もある紀伊山地周辺は世界遺産に選ばれるほど歴史も深く重要なもので、大自然に溢れています。熊野那智大社は有名な那智の滝と深い関わりがあり、非常に見どころの多いスポットと言えるでしょう。
那智の扇祭りは地元の大切な祭として、長年夏に受け継がれてきました。滝の荘厳さや火の舞い踊る様子など、是非とも一度は見ておきたい祭でしょう。
地域の美味しいグルメもたくさん散見出来ますし、扇祭りを楽しみながら味覚も満足出来ることと思いますよ。
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