日本海にひょこっと突き出た石川県は、おいしい海の幸が味わえる自然豊かなところです。
冬間近になると、カニやブリが店頭に並び、その味を求めて多くの人が訪れます。
また伝統工芸の盛んな土地でもあり、輪島塗や加賀友禅、九谷焼はその代表とも言えるものです。
金沢の華やかな古き良き日本の文化や町並みを楽しむ一方で、世界農業遺産にも認定された能登の風景に心惹かれる人も多いです。
観光都市として発展する金沢とのんびりした風景が広がる能登、その両方を楽しめるのが石川県の魅力と言えます。
現代アートを体感しよう。「金沢21世紀美術館」
金沢市内の中心部にある金沢21世紀美術館は全面ガラス張りで建物が円形になっており、その外観を見るだけでも好奇心をそそられてワクワクした気持ちになります。
市民の憩いの場になるようにというコンセプトのもと、金沢21世紀美術館では無料で入場できるスペースが多く設けられています。
ベンチでくつろいだり、建築物として美術館を観察したり、ミュージアムショップを覗いてみたり・・・など作品鑑賞だけではない美術館の使い方に新鮮な感覚をおぼえるでしょう。
人気の作品となっているのが、作品を鑑賞する人たちがプールの中を歩いているように見える、レアンドロ・エルリッヒの「スイミング・プール」です。
ユーモアたっぷりのその作品に思わず笑みがこぼれてしまいますよ。
正面入口を入ってすぐのところにこの作品はあるので、訪れた際はぜひ揺らめく水面を覗きこんでみてください。
美しい町並みを歩く。金沢「ひがし茶屋街」
西洋風の街灯が並ぶメインストリートと、そこから伸びる細い路地が町を縫うようにして繋がっている「ひがし茶屋街」は重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、美しい町屋の佇まいが人気です。
金沢の町屋の一番の特徴は木虫籠(キムスコ)と呼ばれる目の細かい格子です。
この格子は中からは外の様子が良く見えるけれど外からは中の様子が見えにくいといった効果があり、その美しさのほかにプライバシーを守る役目も持っているのです。
どこからか三味線を練習する音も聞こえたりするので、格子の向こうで練習する芸子さんの姿をまち歩きを楽しみながら想像してみる、なんていうのも風流ですね。
また、ひがし茶屋街はオシャレなカフェが多く、窓から茶屋街の町並みを眺められる所もあります。
金沢伝統のかわいらしい和菓子を扱うカフェやおいしいコーヒーを提供してくれるカフェなど、歩き疲れたら素敵なカフェでちょっと一服してみてはいかがでしょうか。
家族連れに大人気。「のとじま水族館」
能登島という島にある「のとじま水族館」は小さな子供から大人までが楽しめる、海に面した開放的な水族館です。
なかでも世界最大の魚と言われるジンベイザメが見られるのは日本海側ではこののとじま水族館だけとなっており、悠々と泳ぐジンベイザメの姿に圧倒されることでしょう。
またショータイムとしてアザラシやラッコのお食事タイムを見ることができたり、ペンギンが目の前をよちよち歩くかわいいお散歩タイムなどもあります。
普段見ることができない生き物の生態を間近で目にすることができ、子供たちも大喜びです。
そのほかにも、水族館ではイルカと触れ合えるイベントや水族館に泊まって夜の生き物の様子を観察するお泊り水族館など、季節ごとにさまざまなイベントを開催しており、その時々で違った楽しみがあります。
空へと続いているような能登島大橋を渡って能登の風を感じたら、のとじま水族館はすぐそこです。
朝市が有名。能登の「輪島市」
輪島市と言えば、朝市。
全国的にも有名なこの朝市では地元の鮮魚店や漁を営む人たちが作ったカレイやアジの一夜干しのほか、イカの塩辛やサザエの干物といった珍味も並びます。
朝市が並ぶ通りには輪島塗のお店も点在しているので、こちらもチェックしてみてください。
高価なものもありますが、手軽に購入できる商品も多くあるのでお気に入りの一品に出会えるかもしれませんよ。
イキのいい能登地方の方言が飛び交う朝市を歩けば、不思議と元気が湧いてきます。
また、日本一美しいと言われる白米千枚田も足を運んでほしい場所のひとつです。
海に向かって伸びる段々の田んぼはどれも大きさがなく、機械を入れることができません。
そのため全国からオーナーを募り、春は田植え、秋は稲刈りをほとんど人の手で行っています。
冬にはその畦道に2万個ものLED照明が点り、千枚田はえもいわれぬ輝きを放ちます。
能登地方には「能登はやさしや土までも」という言葉がありますが、その言葉のとおり能登・輪島市には素朴でどこか懐かしい空気が流れています。
石川まとめ
北陸新幹線の開業で金沢はいま全国でも特に人気が高まっており、多くの人が訪れる観光都市へと変貌を遂げつつあります。
その流れの中にあっても昔ながらの金沢の良さは残っており、それが人々を惹きつけてやまない理由のひとつなのかもしれません。
そして、懐かしい風景が残る能登も訪れる人をいつでも優しく迎え入れてくれることでしょう。
さあ、石川県を旅してみませんか。
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