清流肱川を堀にした優美な名城大洲城の見どころ

大洲城

大洲市は愛媛県西部の内陸部に位置する人口4万5千人ほどの小都市です。大洲市は伊予の小京都と呼ばれるように、この町の象徴である大洲城の城下町として古くから栄えていた町です。大洲市の中央には清流肱川が流れ、山並みと田園風景が日本の原風景を思わせる情緒あふれる町です。

そんな小都市にある大洲城の歴史は、鎌倉時代の末に伊予国守護宇都宮豊房が築いた地蔵ヶ岳城に始まります。それ以降、戦国時代を経て、豊臣、徳川の近世に入り小早川隆景、戸田勝隆、藤堂高虎、脇坂安治、加藤貞泰らの大名達が城を整備し、今日に残る城郭の姿となって行きました。

 

この大洲城の天守閣は明治の中期に取り壊され、その後長く天守閣の無い状態が続いていましたが、平成の城普請によって、平成6年に計画を開始し、10年の年月を経て復元されたものです。

大洲城の天守閣は、この様にごく最近に復元されたものですが、古くからの姿を残す歴史的建造物も存在します。

 

台所櫓は大洲城にあって、最大級の建造物で、現存のものは1859年に再建されたものです。高欄櫓は2階に縁側と高欄のある櫓で、城内を見渡す事ができるようになっています。この高欄櫓も当初のものが地震によって壊れたため、1860年に再建されたものです。

苧綿櫓は二の丸東端に設けられ、石落しに格子窓が備えてあるのが特徴とされています。三の丸南隅櫓は1766年の建造で、大洲城に現存する建物の中で最古のものです。外部両端に袴腰形の石落しを備えています。これらの各櫓は、国指定の重要文化財で貴重な歴史的建造物と言えます。

 

再建された天守閣は、4層4階で昔の資料を基に再現されたもので、天守内に入ると真新しい木材の木組みに匠の技を感じる事が出来ます。

お城の石垣の下は城山公園となっており、ここからの大洲城の眺望は素晴らしく、ゆっくりと散策し、お城の美しい姿を思う存分観賞して欲しいものです。

 

大洲城を見学された後には、伊予の小京都と言われる情緒ある大洲の街を散策されると良いでしょう。

お城以外では、江戸時代や明治時代の面影のある町並みが残っている「おはなはん通り」、お城マニアなら必見の大洲藩と坂本龍馬に関わる資料が展示された「大洲歴史探訪館」、「お殿様公園」と言った大洲城とその城下町に関連するスポットを合わせて探訪したいものです。

「おはなはん通り」と言う愛称は、若い方はご存知ないかも知れませんが、昭和41年に放映されたNHK朝の連続テレビ小説「おはなはん」のロケがこの通りの周辺で行われたことから、名付けられたもので、年配者にはそのドラマと重なって懐かしい気分に浸る事ができる通りです。

 

その他の観光スポットとしては、肱川随一の景勝地に建つ庭園と数寄屋建築の美しい「臥龍山荘」、明治時代に建てられた「おおず赤煉瓦館」などがあり、ゆっくりと町の散策を楽しまれると良いでしょう。

 

大洲城周辺のおすすめグルメ

大洲の名物の1つとして「いもたき」があります。これは東北のいもにと同様の料理で、 8月下旬(初煮会から)~10月下旬に河原で楽しむ料理です。

大洲のいもたきは、鮎で出汁を取っている点が特徴で、これを提供する店も大洲城の周辺には多数あり、昼食としてぜひ味わってほしいと思います。

 

また、大洲は肘川の恵みである、うなぎやアユ料理も名物で、これらをいもたきと合わせて楽しまれるのがお勧めです。

多くの店は町の食堂風や小料理屋風で、川魚料理を謳っており気軽に入れて四季の旬の味を楽しめるのも嬉しいものです。

 

大洲城周辺のおすすめ宿・ホテル

大洲をゆっくりと楽しむ為に宿を取られる場合、大洲城の周辺ではビジネスホテルや四国八十八箇所のお遍路さんも宿泊する宿が中心となります。具体的には、「オオズプラザホテル」「ホテルオータ」「ホテルだいいち」「料苑たるい」「ときわ旅館」「松楽旅館」等があります。

夏の鮎の季節なら大洲に宿を取り、肘川の鵜飼を見学して川魚料理を楽しまれるのがお勧めです。大洲の鵜飼は岐阜県長良川、大分県三隅川と並び日本三大鵜飼に数えられ、ぜひ楽しんでほしい夏の風物詩です。

 

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大洲城まとめ

大洲は清流肱川が流れる風光明媚な町であり、そこに再興された美しい天守閣を持つ大洲城があります。歴史的建造物は少なめですが、平成に再興された天守閣を見るのも城マニアにとっては楽しい事であり、ぜひ訪れたいお城の1つと言えるでしょう。

 

しかし、大洲は余り交通の便が良いとは言ない所で、岡山から瀬戸大橋経由でJRの特急で3時間30分も掛かります。飛行機でのアプローチなら、松山空港に入り、そこからJR松山駅に出て特急で30分の所です。

従って、大洲城見学をメインに大洲を訪れられる際には、上手に旅行計画を組み、2泊で松山や大洲にほど近い女性に人気の内子などと合わせて観光されるのがお勧めです。

 

ちなみに、内子町には明治の町並みが残り、また大正期の思いが伝わる本格的な現役の芝居小屋である内子座があり、遠くから芝居好きの人達が見学に訪れています。

伊予の小京都の大洲と、明治大正の面影が色濃く残る内子を合わせて旅すれば、日頃の多忙な日常生活から解放され、癒しの旅を楽しむ事が出来るでしょう。

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