松江城(まつえじょう)は、鎌倉時代から戦国時代かけて末次城(末次の土居)があった亀田山に1607年(慶長12年)築城された、京橋川を外堀とする輪郭連郭複合式平山城です。
1600年(慶長5年)の「 関ヶ原の戦い」で戦功のあった堀尾忠氏が、江戸幕府より24万石を得て月山富田城に入城し松江藩が成立しました。しかし、入城した月山富田城は中世山城で城下町を形成するには土地構成から不利だったため、平野に程近い末次城跡を近世城郭の候補とし築城したと言われています。
日本三大湖城の一つでもある宍道湖北側湖畔の亀田山に築かれ、現在の松山市街地の北部に位置しており、お城の周りを囲む堀川は宍道湖とつながっており薄い塩水(汽水域)であるなど自然環境の観点からも珍しい土地に築城されたお城といえましょう。
松江城築城の際の設計には、当時の軍学者小瀬甫庵、土木職人の稲葉覚之丞らが携わり、山陰地方最大の石数を誇るため藩の威信をかけて築城への期待はかなり大きかったものと思われます。
お城の構造は城内の中心に本丸を据え、東側に中郭、西側に後郭、北側に北出丸、東から南にかけ外郭、西から南にかけて二の丸が囲む大規模なものでしたが、もとは宍道湖や堀川などに水分を含んだ軟弱地盤の上に建てられたため、建築からわずか数十年ほどで傾きだしたとも伝えられています。
築城後は堀尾氏、京極氏、松平氏と城主を変えながらも、江戸時代には松江藩の藩庁として山陰地方の政治経済の中心としての役割を十分に果たし、城下町も豊かに潤っていました。
しかし、明治維新以降は廃城令により存城処分となったため、天守閣以外の建物はすべて払い下げられ、現在の松江城の姿のみが残ることになりました。
その松江城天守は全国に現存する12天守の一つで、入母屋破風の屋根が羽を広げたように見えることから、別名「千鳥城」とも呼ばれていることでも有名です。
望楼型や下見板張り、桃山風の質実剛健の構えなどが特色で、お城マニアにとって一度は実際に見ておきたいお城の一つでしょう。登閣料(大人個人560円)を払えば、店主の最上階まであがることができます。
最上階の天守には手すりが巡らされ、壁のない望楼が広がり、松江市街や宍道湖が一望できる絶景が待っています。歴史的にも価値の高い天守閣は2015年7月に国宝に指定されています。
城山公園内には宍道湖を周囲するように散歩道が整備されており、松や竹林、桜や椿、梅などの四季折々の自然が楽しめる公園となっており、日本さくら名所100選や都市景観100選に選ばれるなど優美な城跡は国の史跡にも指定され市民の憩いの場でもあります。天守にあがった後はゆったりと散策するのがおすすめですよ。
松江城周辺のおすすめグルメ
楽しいお城巡りのあとは、その町のおいしいグルメも楽しみですよね。
島根と言えば、やはり出雲蕎麦でしょうか。それも松江城のお堀のすぐそばにあり、当時の情緒ある面影を色濃く残す武家屋敷が並んでいる中でいただく出雲蕎麦は格別でしょう。
そんな人にぜひおすすめなのが、立派な門構えが目を引く「八雲庵」です。
本格的日本庭園には池で錦鯉が泳いでいる姿が見えたり、風情豊かな城下町の面影を随所に感じられる庭を眺めながらいただくお蕎麦は「格別」という他にはないでしょう。
メニューの中には「鴨南蛮」というちょっと変わった味もありますが、これもかなり美味ですよ。お値段もとても手頃なのでランチにピッタリですね。もちろん見てきたばかりの松江城の話で盛り上がりながら、きっと忘れられない楽しいランチタイムになりますよ。
松江城周辺のおすすめ宿・ホテル
松山城の近くの宿泊施設は、意外にもビジネスホテルが多いことが特徴でしょう。その分、便利で女子会での旅行でも安心して宿泊できることがメリットと言えるでしょう。
ニューアーバンホテル
宍道湖に面したゲストルームが多いのは宍道湖のそばにあるニューアーバンホテル別館は美しい宍道湖を一望できることから人気の高いホテルの一つです。
朝にはシジミ漁をする光景も見られるなど、高い場所から意外な宍道湖の一面が見れることも魅力の一つでしょう。一方、せっかく風情ある松江を訪れたからにはぜひとも泊まってみたいのが旅館ですよね。
皆美館
末次本町にある「皆美館」は“山陰一の旅館”といわれている有名な旅館です。
創業120年の歴史を誇る皆美館は宍道湖畔に佇み温泉も楽しめる最高級の旅館であり、島崎藤村、与謝野晶子などの文人墨客も愛した宿でもあります。
宍道湖を一望できる独立した特別室は我が家のようにくつろげます。もちろん、お部屋に貸切風呂が完備されておりお食事も一流板前が腕を振るいます。また人気の秘密には旅館スタッフの細やかな心配りにもあるようです。
一度泊まるとリピートで泊まりたくなるお宿です。5名前後の女子会旅行であればぜひとも特別室を貸し切って、女子トークに花を咲かせるのも良いのではないでしょうか?
松江城まとめ
日本の中でも歴史的な価値が高い松江のシンボル「松江城」。
豊かな水と緑に囲まれた天守の最上階から望む松江の城下町は時代の流れとともにその姿を変えつつも、出雲地方随一と言われた城下町のプライドをどこか残している雰囲気を残しているようにも感じられます。
異国から日本を訪れた小泉八雲が終生魅了されて続けた「古き良き日本」の姿が今も息づいている松江の街を知るためには、まずは城下町と共に歴史を刻んできた松江城をじっくり堪能してみることから始めると良いでしょう。
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