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越中おわら風の盆は、富山随一のイベントと言っても過言ではありません。
毎年9月1~3日の間に行われるため、この季節になると祭りが開催される富山市八尾に大勢の人が集まり、一年で一番の賑わいとなります。9月ですから既に初秋ではありますが、まだまだ暑さが残る時期。踊り手の涼やかな浴衣が目に優しく映ります。
その浴衣と同じく揃いの編み笠を深く被るのですが、顔が一部しか見えない姿が憂いを感じさせ、おわら風の盆ならではの雰囲気が漂います。凛と踊る姿に哀愁が漂い、時を忘れてしまうほどに目を奪われてしまうことでしょう。
踊りと共に欠かせない役割を果たしているのが、地方です。
この地方とは、唄い手、唄い手をリードする役割の囃子、おわらに独特の重厚な響きを奏でる三味線、能や長唄などでも用いられる太鼓、決して目立つことなく哀愁たっぷりの音を出す胡弓を表しているのですが、どれひとつを欠いてもおわらは成り立ちません。それぞれの地方があってこその、おわらなのです。
歴史的に見てみると、おわらは当初は民謡だけの唄でした。そして後に豊年踊り、男踊り、女踊りが付け足されたのです。豊年踊りは、種まきや稲刈りをしている様を表現するために手先を上手く使ったユニークな動きが特徴の踊りです。
また男踊りは、男性のしなやかな体で力強く表現する踊りで、女踊りは蛍を追う女性らしさが織り込まれた振付になっています。
戦時中は戦場で苦労を重ねる兵隊さんを慮って、踊ってはいけないという世情に変わったこともありました。その時でさえ忍びながら受け継がれてきたという、土地の人たちが大切に育ててきた伝統文化なのです。
大切に思う気持ちは現在でも子供のころから教え込まれ、練習に練習を重ねて演舞会に出るというのが当たり前。そうやって誰もが大人までに立派な担い手と育っていきます。
おわら風の盆は、8月20~30日まで11日間の前夜祭が行われます。これは11ある地区が日替わりで踊るという習慣がある為に、一般的な前夜祭と比べるととても長い期間に亘ります。
これは3日間を通すと大変な人出となってしまうことを考慮し、リハーサルを兼ねて混雑解消を図るためのものという意味もあるのです。これの配慮によって、長期に亘って風の盆を見るチャンスが増えたわけですね。
この幻想的な踊りの輪に入りたいと考える人も多いようですが、大々的な飛び入り参加は受け付けていません。ただし、地区によっては午後10時過ぎ以降に可能な場合もあるようなので聞いてみるといいかもしれませんね。
越中おわら風の盆周辺のおすすめグルメ
さて、お祭りを見に来て美味しいものに出会いたかったら、きときと市場へ行きましょう。きときととは土地の言葉で、新鮮を表す言葉。ここでの楽しみ方は、新鮮なものを見る、買う、食べると3拍子揃っています。美味しそうなものを見たら、お土産として買ってみましょう。
いろとりどりのかまぼこは選ぶのに一苦労しそうなほどに種類も多く、ホタルイカの磯部揚げはここに来たからこそ手に入る御馳走。浜焼きやお刺身はその場で食べられるのでランチに最適です。
あれこれと欲張って食べたい人には丼ものがおススメ。温かいものが食べたい人は、げんげ汁をいただきましょう。ゼラチン質が豊富な深海魚で、とてもいいお出汁が出るので地元では常食魚として重宝されています。
有名な富山のます寿司もここで購入ができますよ。観光客の為の施設という色合いが強いので、午後でも営業しているので便利です。水曜日はお休みなので、注意してください。
越中おわら風の盆周辺のおすすめ宿・ホテル
夜遅くまで見ていたくなるお祭りなので、八尾に宿泊するのがベスト。でも、元々ホテルが少ないこともあり、宿を押さえるのは至難の業です。少し離れた場所でも仕方ないと割り切りましょう。
八尾ゆめの森ゆうゆう館
八尾の中でも比較的宿泊しやすいのが、八尾ゆめの森ゆうゆう館。それでも部屋数が多いとは言えませんから、ダメ元と思っていても早めに動かなくては空振り必須。
お風呂が立派で日帰り入浴ができるので、ちょっとした休憩で使って疲れを取るのもいいかもしれません。この施設の中でそば打ち体験や農業体験などの楽しみもあります。
剱の湯御宿野乃
富山駅周辺まで出ると宿泊場所も随分と選択肢が広がりますが、お祭り期間だけはいっぱいになるもの考えて予約をしましょう。
剱の湯御宿野乃は、ドーミーイングループが展開している和風ホテルです。天然温泉で設備も充実。朝ご飯が豪華で海鮮を朝から楽しめる点がおススメポイント。素泊まりか朝食付きのプラン選択になります。
ホテルアルファーワン富山駅前
ホテルアルファーワン富山駅前はネーミング通りで富山駅前に位置しているので便利。
展望大浴場は眺めがよく、気分爽快です。おにぎりや味噌汁のシンプル朝食は無料ですが、おかずもあって満足のボリューム。マッサージ機やフィットネスも無料使用が出来るなど、面白いサービスを提供しているビジネスホテルです。
越中おわら風の盆まとめ
大都市で行われるお祭りではないので、より地域性が際立っている風の盆。
あの踊りを目の当りにすれば、苦労をしてでも足を延ばした甲斐があったと強く感じることでしょう。特に女性は、女踊りを見ると仕草の美しさに感銘を受ける様子。自己主張はさて置き、調和を保ち、慎み深い踊り手には奥ゆかしさが感じられるからです。
見惚れてしまい時間を忘れ、宿まで帰れなくなってしまうのは困りもの。アクセスの下調べは入念に行っておくことを忘れずに。
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