和歌山城は和歌山市の中心地にあり、緑豊かな虎伏山にその白亜の天守閣がそびえ、まさに和歌山の象徴であり、徳川御三家の威厳を示す風格あるお城です。
この和歌山城は、1585年に紀州和歌山を平定した豊臣秀吉が、弟の秀長に命じて築城させたのが始まりで、実際にその築城の任を果たしたのが、築城の名人と言われた藤堂高虎なのです。
この和歌山城には、最初に桑山重晴が豊臣秀長の城代として入り、1600年の関ヶ原の戦いにおいて、徳川軍に付いて功績を立てた浅野幸長が、その後に大名として和歌山城に入りました。
さらに1619年に、徳川家康の10男の頼宣が入城し、これが紀州55万石の礎となり、徳川御三家の1つとして長く繁栄の歴史を築いて来たのです。
和歌山城の白亜の三層の天守閣からは、虎伏山の高所にある事から市街地を見渡す事ができ、その市街地の中をゆったりと紀の川が流れると言う素晴らしい景色を楽しむ事が出来ます。しかし、この天守閣は残念ながら築城当初のものではなく、昭和33年に再建されたもので、内部には徳川家ゆかりの品々が展示されています。
この天守閣に登るのは有料ですが、素晴らしい眺望を楽しめるだけで、十分にその価値があると言えます。
和歌山城には、再建された天守閣以外に、追廻門、重要文化財に指定されている岡口門、一の橋・大手門等が見所です。また忘れずに見て欲しいのが御橋廊下です。この橋は、江戸時代に藩主とそのお付の者だけが渡る事の出来た二の丸と西の丸を繋ぐ橋です。
屋根のある橋で、外部からは見えにくい構造となっており、また10度程余りの傾斜を持った珍しい橋でもあります、ぜひ見学して欲しいスポットです。
この橋の先にある西の丸には、四季折々に綺麗な風情ある景観を醸し出す紅葉渓庭園があり、ここでゆっくりと都会の中の静寂を楽しまれると良いでしょう。堀の中に浮かぶ鳶魚閣と堀の水面と新緑や紅葉と言った四季折々の木々が調和した素晴らしい庭園です。
また和歌山城の石垣には、紀州特産の青石が多く使われていますが、その特徴以外に時代の変遷による石積みの変化を見る事が出来、お城好きの方には、この点にも注意して欲しいものです。
二の丸庭園前には創建当時のものと思われる、野面積みと言う一見乱雑な積み方であるものが、大手門をくぐって城内に入ると、大きな石の間に小石を詰めた打ち込みハギの手法に変化し、さらに城内を進むと江戸時代の美しく積み上げられた切り込みハギの石垣が見られます。
和歌山城周辺のおすすめグルメ
和歌山城を見学され、その周辺で食事されるなら、やはり和歌山ならではの食材や名物を味わいたいものです。昼食としてなら、全国的にも有名な和歌山ラーメンが手軽でお勧めです。
全国的に知られている和歌山ラーメンは、豚骨醤油ですが、和歌山ではその他に屋台発祥の醤油系も楽しめます。麺はストレートの中細麺で、具はシンプルで、チャーシュー、かまぼこ、メンマ、ネギが標準で和歌山では中華そばとして親しまれています。
海辺の和歌山に来たのですから、和歌山マリナシティー内にある黒潮市場で魚介の昼食を楽しむのも良いでしょう。市場内ではマグロの解体ショーも行われていて、運が良ければ見学できるかも知れません。
この黒潮市場の飲食ゾーンで、マグロ、海鮮、海の幸、寿司、海鮮バーベキュー等の昼食を楽しみ、お土産もここで購入されるのもお勧めです。
和歌山城周辺のおすすめ宿・ホテル
和歌山城を中心とした観光で宿泊されるなら、和歌山市の中心市街地にあるビジネスホテルを利用されるのが便利でしょう。また海に面した和歌の浦地域に宿を取られるのも良いでしょう。
この海辺の宿泊施設としては、先に黒潮市場があると紹介した和歌山マリーナシティにある南欧を思わせるリゾートホテルの和歌山マリナシティーホテルを利用されるのもお勧めです。
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また、温泉がお望みの方には、これも海辺の加太周辺の宿を選択されるのも良いでしょう。
和歌山県には白浜、勝浦、川湯、龍神と言った有名な温泉地がありますが、和歌山市内に温泉がある事は意外と知られておらず、この温泉宿はある意味和歌山での宿泊の穴場と言えるかも知れません。
和歌山城まとめ
和歌山城は、桜の季節が最も美しいと言われていますが、新緑の山に浮かぶ和歌山城の白亜の天守閣も非常に素晴らしいものです。
徳川御三家の居城として栄えた和歌山城は、歴史的建造物は比較的少ないのが残念ですが、それでも先述べた様な石積みの変遷など、お城好きには勉強となるポイントも多く、ぜひ訪れて欲しいお城の1つと言えます。
また和歌山城を訪れた際には、お城の少し南に位置する紀州東照宮も合わせて見学されるのがお勧めです。漆塗の極彩色で彩られた精巧な彫刻や、狩野派や土佐派の豪華な襖絵には目を奪われる事でしょう。
そんな多くの彫刻や襖絵の中でも、有名な左甚五郎作の彫刻や狩野探幽作の襖絵は特筆に値する素晴らしさです。本家の東照宮には及びませんが、御三家の紀州の東照宮としてぜひ合わせて訪れて欲しいスポットです。
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